†captivity†(休載)
……なんということだろう。
なんとあたしの気持ちは、緒方先輩への恋心は、ダダ漏れていたらしい。
とんだ羞恥プレイだな……。
「でも和歌自身は気付いてなかったんだね」
「だ、だ、だって、あの人意地悪だし、別のことで頭がいっぱいだったりして考える余裕とかなかったし」
なのに……そんな中で優しさを感じたり、過去の謎が解けたりとか、いろいろあって、心のどこかで彼を頼る自分が出来て。
それってつまり、信頼出来る人だって判断していたわけで……。
「和歌また顔緩んでる」
「え!?やだもうなにこれ知歌どうしよう!!」
「とりあえず素直に付き合っちゃえばいんじゃない?」
「つ……!?」
自分とは程遠い話だと思ってたそれが、今手を伸ばせば掴めるところにある。
「知歌……いいかな?あたしもうなんか頭がいっぱいいっぱいで」
「俺はもう大丈夫だから。ほら、だって一年以上経ってるし、治ってるから。和歌が気にすることはもう何もないんだから」
そう言ってくれた知歌は、優しい笑顔を向けてくれた。