†captivity†(休載)
──改めて
土日を挟んで月曜日。
緒方先輩は学校へ来なかった。
放課後、いつもの特別教室に行くと、奏多くんが先に来ていた。
「和歌!」
「あれ、奏多くんが先?鬼畜メガネと緒方先輩は?」
「きちっ……!?」
「あ、ごめん、東先輩ね」
やばい、緒方先輩が気になるあまり、東先輩のことを素で鬼畜メガネって言っちゃった。
大丈夫大丈夫、今いないからね。
「うしろ」
「え?」
直後、真後ろからドスの効いた声が聞こえてきた。
「鬼畜メガネってなに?バカ女」
「……」
やばい、後ろにいたのか。
東先輩……。
ガシリ、頭を鷲掴みにされた。
だだだだっコメカミ痛い!!
「シンは更新に集中し過ぎて休み」
「……え、はい?更新!?」
更新とは、緒方先輩の学力更新か。
「土日は朝から晩まで更新で奏多しか家に呼ばれなかった。飯作りに。今歴史から近代社会まで一気に脳にぶち込んでる」
そう言われたところでようやく納得した。
中学から高校レベルの社会科全般を、暗記系勉強のものを頭に入れているんだ。