†captivity†(休載)
「結果のわかってる賭け事って、好きじゃないんだ。でもだからって曖昧なままでこのままなのも嫌だし、悟先輩にまたヘタレって言われちゃうし」
「……うん」
無理してわらってることがわかる。
でも向き合ってくれようとしてくれるんだね。
「和歌」
「なに?」
「改めて、和歌が好きなんだ、俺」
静かな教室に響く声は、なんの迷いも躊躇いも感じない、ストレートな告白。
「……ありがとう、って言えばいいのかな、慣れてなくて……」
「うん、そんな和歌が可愛くて好きだから、付き合いたいんだ」
恥ずかしい。
真剣に告白してくれている灯くん。
でも彼はきっと、この先の答えがわかっている上で、告白してくれている。
それはなんて苦しいことなんだろう。
どれだけ勇気が必要なんだろう。
「ごめんなさい、好きな人がいるの」
でもね、そんな勇気を出して改めて告白なんてなかなか出来ないよね。
それは凄いと思うし、格好いいと思うよ。
「玉砕しちゃったな」
そう言って笑った彼は、ほっとしているように見えた。
きっとたくさん悩んで悩んで疲れたんだよね。