†captivity†(休載)
「こんなに長く、お前のことを考えてきたんだ」
「……はい」
どくんどくん
心臓が胸を叩くように締め付けられて
痛くて
苦しくて
愛おしい。
「お前だって俺の事、思い出しただろ」
「はい」
手が震える。
ジワジワ、身体に集まってくる熱。
この気持ちは
期待?
彼の言葉に、耳を傾ける。
「お互いこうしてまた会えたんだ」
「はい」
「運命だよな?」
「はい……え?」
わたしの手が、大きな手に包み込まれる。
熱が伝わる。
それが、恋人つなぎへと変わった瞬間、あたしの緊張はピークに達した。
「運命だ」
「……」
「お前が俺のものになる運命だってことだ。諦めろ」
「……っ」
「お前だって、そう思ってんだろ」
思って、る。
運命だって。
だって初恋の人だった。
数十分、たった数十分同じ時間を過ごしただけなのに、こんなにも心に深く刻まれていて。
再会して、また恋に落ちて。
「……あたしも、まぁ、あの、その……、思ってます。……運命って」
けれど素直になれない乙女心を、許してください。
しかしあたしは確かに、彼から離れられない運命なのだ。