†captivity†(休載)
そう言って緒方先輩を見ると、驚いた顔をしてから、顔を真っ赤に染めた。
見事に真っ赤に染まっている。
「おま、」
「うん、めい……ですっ!その通りです!あたしだって!……あたしだって気付きました。緒方先輩から離れたくないこと」
口元に手の甲を当てて口を隠す先輩、可愛い。
「おま、なに恥ずかしい事言ってんだよ」
「先に言い出したのは緒方先輩ですっ」
二人で顔を真っ赤にそめて、窓の外に視線を移す。
意外と、緒方先輩だってこういうの慣れてないんだ……。
「和歌」
「はい」
「好きだ」
「う……は、はい……」
「……」
「……あ、あたしも、実は……」
「……実はってなんだよ」
「は、恥ずかしいんですよっ 」
「言えよ」
「……」
「聞きたい、お前の声で」
「心くん、が……好き、ですっ」
直後、背中に回った腕に引き寄せられ、気付けば彼の胸の中にいた。
「俺のものだ。和歌」
「うん……うん、心くんっ」
あたしも彼の背に腕を回した。
彼の腕の中は力強くて、でも優しくて、とても心地が良かった。
この日、あたしたちは付き合うことになり、初めてお互いにキスを求め、交わした。
甘い甘い時間を過ごした。