†captivity†(休載)
「あいつらにも報告しなきゃなんだよな……」
そうポツリとつぶやいた心くんは、複雑な顔をしていた。
きっと恥ずかしいんだ。
でも仏頂面を貫こうと必死みたい。
なんて冷静っぽく分析しているあたしも実は冷静でいられていない。
ソファーで二人並んで、緒方先輩に肩を掴まれ抱き寄せられているのだから。
「……」
慣れない行為に和歌は何の言葉も見つかりません。
ただただ恥ずかしくて、心臓がドキドキというより、もうバッコンバッコンというか、飛び出しそうなくらいに胸を打っていて。
アツくて。
……今すごく血流が速いと思われます。
「和歌」
「……は、はい!」
「緊張しすぎだろ」
「……」
だって近いんだもん!!!!
好きだとお互いが通じた直後から、緒方先輩はぐんぐん私に近づいて、離さない。
なんかもう、このまま透過してあたしの中に入ってくる気じゃないだろうかというくらいに肩に体重を乗せてくる。
さすがに重いよ、先輩。