†captivity†(休載)


「奏多くん、お散歩行かない?」

「散歩?どこに行く気?」



ほら、奏多くんに話しかけてるのに、なぜか東先輩が眉をひそめて聞き返してきちゃった。

あたしが奏多くんと話せない原因だ。

あたしは奏多くんに話しかけてるのに、なぜ東先輩や緒方先輩が答えるかな?



「そんな風に緒方先輩や東先輩に邪魔されないようにですよ。あたしは奏多くんと仲良くなりたいんです」



あたしは本気だ。

だってこんなに可愛い男の子なんてそうそういない。



仲良くなりたいって、それだけじゃダメなのかな?



「奏多くんは、あたしを嫌ってる?」

「嫌うほど会ってねーだろ」

「ほら、だから仲良くなるのにも時間がかかるんですよ。もっと奏多くんとの時間をください。てことで」



あたしは奏多くんの目の前まで行って、手のひらを差し出した。

にこっと笑ってあたしは言った。



「奏多くんが少しでもあたしと仲良くなってくれるって気持ちがあったら、付いてきてくれると嬉しいな」

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