†captivity†(休載)
「は?」
「理解しました。彼女たちの気持ちはよくわかります。もしかしたら男の子の中にもいたのかもしれませんが」
「お前、何がわかったって?」
「ぎゃっぷ……?」
ここにいる誰一人としてこの胸の奥から込み上げてくる『MOE』という感情を理解出来ていない様子だった。
東先輩に至っては黙ったまま、まるでゴミか塵を見るような視線を向けてくる。
やめてください、和歌が悪いわけではありません。
「まぁ彼女たちのお目当てがわかったところで、免罪符にはならないんですけどね」
「おい変態、お前も人のこと言えないだろクソ女」
「あたしはちゃんと許可取る努力はしますもん!!」
今日も東先輩の口は黙っていてはくれないようです。
「和歌、お前もそのギャップ萌えってやつするのか?」
「いえ、あたしは割とストレートでも萌えるので、ギャップに関わらずかわいいものは全般好きです」
そう返すと、心くんの顔が曇る。
「つまり、お前は俺のことをかわいいと思ってるのか?」
「あ、すみません、それはたまにしかないです」
「たまにあるのか」
彼のひきつった顔を一瞥しながらも食事を続けた。