†captivity†(休載)


基本的に心くんは無表情というか、ぶすくれている時が多くて、一見可愛さのかけらは見当たらない。

しかし実は甘えてくる時や何かをねだってくる時、求めてくる時、その威力を発揮することがある。

内面的な可愛さ、ツンデレ、ギャップ萌え、そういった感じなのである。



一方奏多くんはストレートに可愛い、発言も可愛い、しぐさも照れ屋さんなところとか慣れないと人に懐けないところなんかも好感度高い、和歌の中ではその全ての行動が可愛く、そして眺めていたい、見守っていたい、愛でたい対象なのである。

……そう、つまりあたしは奏多くんが大好きなのである。






大好きなのだけど……付き合ってる人がいるのにこの感情ってOK?大丈夫?浮気に入っちゃわない??










――ここで初めて、和歌は心くんへの配慮が皆無だったのではないか?ということに気付いたのです。



「……心くん」

「今度はなんだ?」

「あたしこのまま奏多くんのこと大好きなままで大丈夫なのでしょうか……?」



直後に、スープを飲んでいた我が彼氏が盛大にむせてしまっていた。

すみません、聞くの今じゃなかったかもしれません……。



「今更……?」



あぁ、またゴミを見るかのような視線が斜め前にいる東先輩から注がれている。



「お前は滝澤の時への対応、覚えてないの?」



そう先輩に言われてみれば、彼と心くんは確かに仲悪そうにはしていたような気がする。

一緒に帰るだけで浮気だと言われた。

しかもまだ付き合ってなかったのに。



知歌にもそうだった。

知歌に会った後、俵担ぎされて部屋まで連れ込まれたのだ。



でも、奏多くんとはデートまでしたり、家に行ったりもして……それでもいつも通りだった。

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