†captivity†(休載)
で、知歌がそんな鋭さを習得したことはいいんだけども。
「今朝の、どういうことなのか、話してくれるよね?」
ていうか知歌は心くんとあたしの関わりをよく思っていなかったような気がするんだけど……心配して学校まで来てたし。
そこにどういう心境の変化があったのかとか、もろもろ知りたいところである。
しかし。
「和歌は愛されてるね」
「……は?」
知歌から出てきた発言からは、まったく理解が出来なかった。
「まぁ、種明かしをするなら……俺、東悟とメル友してるんだよね」
「……」
一瞬の思考停止の後、理解が及ぶと共に駆け巡る衝撃。
東悟……東先輩と、メル友、だと?
……はぁぁぁぁぁ!!?
「メ……!?」
「うん、メル友」
「は!?」
「というか情報交換?」
ちなみにあたしは東先輩のアドレスなんて知らない(というか恐れ多い)。
奏多くんとだけ連絡先は交換していて、別次元で心くんがあたしのアドレスを知っているだけである(記憶されてる)。
ていうか、彼氏の連絡先を知らないなんてことに今更ながらに気付いてしまった。
「あの東先輩と……?」
一体いつから……というか知歌と東先輩ってそんな仲だったっけ?そんなことお姉ちゃん知らない。
え、いつの間に?
確かに一回学校でみんなと会いはしたけどそんな――……逆に、その日、しか、覚えがない。
「まさかあたしが俵担ぎされて心くんに連れ帰らされた日……?」
「うん、その日」
知歌曰く、あの俵担ぎされてあたしたちが退場した後、東先輩と連絡先交換イベントが発生したらしい。