†captivity†(休載)
とりあえず、起こしてもらえなかった理由はわかった。
起きられなかったのはあたしも知歌同様、寝起きが良くないからそれも納得した。
「でもあたしが寝てる頃に連絡来たのって、時間が遅くない?知歌なんか聞いてる?」
「話の流れから緒方心を説得する時間があったとは思うけど……それにしては時間がかかりすぎてるし、確かになんでだろうね?」
どうせなら今朝心くんに会った時に聞いていたかったけど、知らなかったのだから仕方ない。
今度また聞いてみよう。
今日1日、いろんなことがありすぎて疲れた。
「和歌眠そうだね」
「ちょっと寝たはずなんだけどね」
というか、朝から昼まで寝て、さらに夕方心くんの家でも寝て……寝すぎてる感じもするのにまだ眠気が来るのか。
「今日1日で混乱させすぎちゃったかも。ごめんね」
「いや、大半は先輩たちのせいだから」
聞きたいことが解決して気が抜けたのかもしれない。
「俺も部屋戻るし、和歌も寝る準備して今日は早めに寝ちゃおうよ」
「そうするー」
そう言って知歌が部屋を出てから、あたしはお風呂場へ向かった。
気を抜くとぼーっとして寝そうなので早々に上がって諸々の寝る準備と明日の準備をしてベッドに入る。
サァァァと降り出した雨の音をBGMに、安らかな眠りに惹き込まれていった。
あぁ、もう梅雨の時期なのかと、ぼんやりと考えながら、長い一日を終えた。