†captivity†(休載)
それから奏多くんとあの教室にもう一度戻った。
「おかえり奏多」
「奏多、戻ったか」
あたし空気?
……そうですか、見事にあたしは無視ですか。
「ただいまっ」
そう言って鬼畜たちのもとに小走りで向かっていく奏多くんに、少し寂しさを感じた。
いつかあたしにもあんな風に小走りで駆けつけてくれるようになるといいな。
そんなことをを夢見ながら、あたしは自分の教室に戻っていった。
え、へそ曲がってなんていませんけど何か?
いいもん、ちょっと進歩したもん。
満足だもん。
満足してるもん。
……でもまぁ、午後は、少し憂鬱だった。
──そして放課後、思いがけない訪問者が来た。
「藤崎さん藤たきさんふじゃしゃっ……さん!?」
「え、あ、はい!?」
なんだどうした襲撃か!?
そう噛みながらもあたしを呼んだのは、なんとこの前あたしが東先輩に呼ばれた時に呼びに来た彼じゃないか。
どうした、そんなに慌てちゃって。