†captivity†(休載)


そのあまりの衝撃の中、内容を読めずにいると、彼の舌打ちと共に手がぎゅっと繋がれる。



「和歌」

「は、はい?」

「一旦綾愛と合流する」



手を引かれて彼について行く間、慌てて綾愛さんからのメッセージを確認する。



「お土産屋さんの手前に集合」



こちらに詳しいことは、書かれていなかったけれど。

心くんの言う、彼の幸せを嫌がっている人たち関連なのだろうか?

楽しかった気持ちに、一気に不安が押し寄せる。



「お、きたきた」



合流した綾愛さんは思っていたより焦っている様子などはなくて、少しほっと息をつく。



「ごめんね、怖がらせちゃいました?」

「いや、ちょっと心配が過ぎただけ……みたい?かな」

「まぁ、まだターゲットも遠い位置にいるので、このままなら接触は回避出来るはずです。ただ出口に待ち伏せされたら逃げようがなくなっちゃいますね」



彼女は小柄なPCを広げて位置を確認しているようだ。



「ゆっくりとおみやを見ている時間は無いかもしれませんが、なにが買う予定はあります?」

「……フグやら亀やらのグッズはあるか?」

「そこの一角にありましたよ」



一瞬なんの事かと思ったけれど、もしやそれはあたしが反応した生き物たちのこと……つまりプレゼンt……



「まってください今日の主役!!」

「あ?」

「なに買おうてしてるんですか!?いやむしろ私に買わせてください!!」

「は?嫌だ」



そう言ってニヤリと意地悪な笑みを浮かべるけれどそれ絶対あたしにプレゼントしようとしてますよね!?

なぜなの!!?
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