†captivity†(休載)
「その話いつまでしてるの?本人いるんだけど」
確かに本人の目の前でこんな話をしてしまうとは……いやでもしかし!
東先輩は謎要素多めなので知れることは知っておきたい!
「東先輩、それ素なんですか」
「バカにしてるって意味なら素で間違いないね」
素でバカにされてる……!?
毒舌具合は今日もキレッキレだった。
「前に言った通り、君が嘘つけるほど頭が良くないことは知ってるから疑う必要がない。そんなこと考えてる暇があるなら心の喜ぶこと少しは考えたら?」
「なんでちょっと心くんには優しさみせるんですか、不平等だ!」
「わぁ……ほんとに和歌にだけ毒が強いね」
他人事だと思ってるから笑えるんだ知歌!!
もう、みんなして和歌さんの扱い酷くないですか!?
「まぁまぁその辺で許してあげてくださいよ」
「和歌っち、先輩たちの前だとそんな感じなんだね」
ふと、クラスで聞き慣れたそんな声が耳に入り、思考停止。
奏多くんのいる後方をぐいっと見ると、そこには。
「すずちゃん、みくちゃん、それに灯くんまで……!?」
フェードアウトしていた奏多くんが、灯くんと共にあたしのクラスメイトの友達である二人を引き連れて来ていた。
というか、奏多くんの姿が見えないと思ってたら、いつの間に。
「あぁ、来ましたね。これで全員揃いました」
そう口にしたのは、綾愛さんで。
綾愛さんは……情報屋さん、で。
なぜか私としか交友のないだろう二人が、何故ここにいるのか……?
……まさか。
「綾愛さん、あたしの交友関係をご存知で……?」
綾愛さんとは今日会ったばかりだというのに!?
「え?もちろん。そこの彼が茅ヶ崎さんのお付きの人というのも、お兄ちゃんの後輩っていうのも知ってますよ。あれこれ言っていい情報でしたっけ?」
それは、口が滑った、というよりは、わざと滑らせたような言い方だった。