†captivity†(休載)


「ふじしゃっ……っさん!あーもういいや和歌で!」

「え、あ、はい、了解です」



おぉう、呼びにくいだけで呼び捨て認定された。

別にいいけど、少し変な感じだ。



「どうしたの、慌てて」

「なんで関わってんの!」



……はい?

唐突過ぎる質問に……いや、疑問系ですらないけれど、あたしの脳はなにも理解できなかった。



「なにに関わってるって?」

「緒方先輩だよ!呼ばれてるんだけど!この前の悟先輩といい、何巻き込まれてんの!?」

「……巻き込まれてる……?」

「あー、でも、あー!ダメだ、待たせてる方がいろいろ危ない気がする、あぁでも和歌の命が……」



命!?

命関わることなの!?



「ちょ、あの、本当になんのこと……」

「決して見捨てるわけじゃない!よし!行け!」



行けじゃねーよ!

あたしは犬でも子供でもない!



そう言いながらあたしの背中を押す彼。

意外と関わるぽいから、そろそろ名前を覚えてあげないと。



そして、ふと、ようやく気付いた。

いや、気付くのは明らかに遅いと思う。

彼はさっき、誰が呼んでるって言ってた?



「緒方先輩が、あたしに何の用があるっていうの?」

「ほ、本人目の前にして言わないでよ!」



あ。
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