†captivity†(休載)
帰り道、途中で奏多くんと東先輩は待ってくれていたようで、あたしたちは合流した。
さっきのことなんてなかったかのように、あたしは奏多くんと話す。
でも、心の中では色々と整理がついていなくて、ごちゃごちゃしたままだった。
そりゃ、付き合ったこともないあたしが、異性に抱きつかれたんだ、動揺しないはずがない。
奏多くんでもこんな風になるのかな?
きゅっと、奏多くんの手を握……ろうとして、すかさず逃げられてしまった。
……ちっ、惜しい。
「わ、和歌……?」
なんというか、そういうことをする以前に、異性に見えないかもしれない。
ごめんね、可愛くって女の子にしかみえない。
「あ、ううん、ゴメンね。ちょっと確かめたいことがあって」
顔を近付ければあの時みたいになる?
でも緒方先輩は背が高いから、どちらかといえばあたしの視線は胸の方が近い。
顔の近さは関係ないなら……やっぱり耐性の問題かな。
奏多くんは確かめるには例外か。
だからといって、東先輩に触れたりしたら、あたしに明日は来ない気がするから対象外だ。