†captivity†(休載)



──なんで。



「帰ってるんだから、家に向かってるに決まってるでしょう?バカなのかな?」

「誰の家に、帰ってるんですかねぇ?」

「それは愚問」



なんでなんでなんで──。



「自分の家もわからないバカなのかな?」

「あたし家の方角すら一回も教えてませんけど!!」



あたしの個人情報だだ漏れしすぎてやいませんか!?

前になぜか知ってた名前事件の時はまぁまだマシとしても、住所はダメでしょう!?



「なんであたしの家知ってるんですか!」

「天の導き」

「そろそろ訴えていいですか!?」



あたしもうがんばった!

十分耐えたと思う!

だから!



「そろそろ警察行きましょう!」

「その前に息の根止めるけど。死にたい?」



だれか110番して!!



あたしは奏多くんの後ろに隠れた。

もうこの人と話してると、身の危険しか感じない。

奏多くんはそんなあたしに振り向いて、ふわっと笑ってくれた。



きゅんっ
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