†captivity†(休載)
「目、瞑ってあげて」
あくまで奏多くんは、東先輩の味方だった。
慰めてくれてたわけじゃないんですね!!
もう、善悪がマヒしてるんじゃないかなこの人たち。
あたしは頭を右手で抱えた。
小学校戻って道徳の授業受けてきてくださいな。
そしてあたしのトキメキ返して。
そういえば、あたしは送って貰っているという事になるんだろうか。
そうなると少し申し訳なく感じないこともない。
「……三人の家は?みんなこっち方面なんですか?」
素朴な疑問。
三人とも同じ方向はありえないと思う。
だって、そしたら地区的に小学校で一緒だったりして、先に知り合ってるはず。
引っ越して来たにしても、三人揃ってはさすがにないだろうし。
寮は反対方向だ。
「心の家に行くんだよ」
「緒方先輩の家って、こっちなんですか?」
「お前ん家の真向かいのマンション」
……はへ?
あたしは今聞き入れた情報を理解したくなかった。
「去年から一人暮らししてたんだよ、心」