†captivity†(休載)
「え、あの?」
「しかたねーな、家まで持ってくか」
なんですかその荷物みたいな扱いは。
……じゃなくて!
「仕方なくなんてないですよね!?奏多くん、ほら、ね、また明日」
ふるふる、首を横に振る。
「いや、でも、このままだとあたし……」
連行されます。
「家政婦が来る分には、拒みゃしねーよ」
「使う気満々ですか!」
なんて男だ……男……の、部屋、か……。
まぁ弟の部屋なら年中入ってるしなぁ。
抵抗ないこともないけど、三人なら、まぁ……しかもこのメンバーなら危険人物は緒方先輩くらいだろうし。
「行こ……?」
そう、小さな声で言った奏多くんに、あたしは思わず頷いてしまっていた。
拒めるはずがないじゃない、このキューティクルな瞳に見つめられたら、ねぇ?
まじチワワ!
そしてあたしはついて行ったのだ。
しかたない、しかたない。
おかーさーん、ちょっと道草くってきます。