†captivity†(休載)


「関係ないけど、気になるの」

「気にしないで。遊んでていいよ、そのためにここに来たんでしょ?」



公園は、確かに遊ぶ場所。

でもあたしたちは違う。

ただ、ぼーっとしてるだけ、ぼーっとするために来た。

そこは、ねぇ、同じでしょ?



「あたしここに座っていい?」



そう言ってしんくんの隣を差す。



「なんで?」

「ぼーっとしに来たから、ぼーっとするの。何も考えたくなくて来たの。遊びに来たんじゃないの」



しんくんが答える前に、あたしはしんくんの隣に座った。



「和歌って変な人」

「しんくんもだよ」



あたしたちは、ただまっすぐ前を見つめて、二人、ポツンと座っていた。




不思議な空間だった。

何も気にしないで、ただただ2人で、無言でボーっとしてた。

それが気まずいとは思わなかったし、何故だか心地良くすら感じられた。



それから数分の沈黙を破ったのは、しんくんだった。
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