†captivity†(休載)
東先輩があたしから緒方先輩に視線を移し、なにやら考えている。
「手始めに……藤崎和歌のアドレスからいこうか」
「……はい?」
あたしは彼らにアドレスを教えた覚えはない。
奏多くんとは交換したけれど。
「奏多から一応アドレス見せてもらったんだ。登録はしてないけど。だから当然俺は覚えてない」
「……ですよね」
あたしのアドレスは、割と長くしてある。それに頭文字とか数字とかごちゃ混ぜで、自分で覚えるのでさえ時間がかかった。
よかった、変な迷惑メールが増えるかと……。
「w-h0420.krshsi_y17352914@ⅹⅹⅹ.ne.jp」
「……はい?」
今あたしは、嫌な予感を感じた。
「合ってる?」
「合ってます、なんで?どっかに書いてあった?」
いや、そんなはずはない。
だって緒方先輩の視線をあたしはずっと感じていた。