†captivity†(休載)
「大丈夫、嘘だよ。顔突っ込むだけにしてあげる」
「お願いですから堂々と殺人予告しないでください」
東先輩ならやりそうで怖い。
むしろすでにやってそう。
ふと、視界の端で、奏多くんがあたしに向かって手招きしているのが見え、視線を移した。
「大丈夫」
「か、奏多くん……」
「思い出したら、きっと楽しい」
にこっ、ふんわり笑顔いただきました!
「楽しいの……?」
「楽しい」
可愛いね。
可愛いけどさ。
意味が不明なんです、奏多くん。
「とりあえず、思い出せばいいわけでしょ?そしたらあったことをそのまま私に言えば済む話じゃないですか」
ヒントが足りない。
だって過去に出会った人の数なんて、思い出せないくらいいる。
そんなこと当たり前だし、絞り込みがない状態でなんて。
「せめてヒント」
「んー、シンの性格?」
……。