†captivity†(休載)
「……もしそうだとしても、逃げます」
「逃げきれないよ。家知ってるし」
コジン ジョーホー!!
そうでした。
家も知られてたんでした。
終わった。
あたし、きっと終わったんだよ。
学校休むわけにもいかないし、ね。
「話は以上だ。帰れ」
にやりと嫌な笑みでそんなことを言う緒方先輩。
あたしは最後にため息をひとつ吐いてから、帰る準備をした。
結局勉強もしてないし、変な罰決められるし。
今日の星座占いはきっと12位だったに違いない。
準備が済むと、緒方先輩が立ち上がった。
「行くぞ」
「え……はい?」
一瞬なにがなんだかわからなかった。
でもまさかこのパターンは……送ってくれようとしているのだと気付く。
「お、緒方先輩、この距離なんですから、いいです結構です」
なんてったって、道挟んだ向かい側だ。
距離にして3mあるかないか。