†captivity†(休載)
なんてさ、謙虚な心全開でそう言ったのにさ。
「あ?コンビニ行くんだよ」
「……そうですか」
なんて呆気なくそんな気持ち崩れたわけですよ。
どうやら彼は、コンビニに用があるらしい。
……そうですか、ついでですか。
なんだか少し、虚しく感じた。
緒方先輩の部屋を出るとき、奏多くんが手を振ってくれたから、あたしも振り返した。
あぁ、だんだん慣れてきてくれてるんだなって、わかってきて、嬉しくなった。
緒方先輩の部屋を出て、エレベーターを降りて、外に出る。
当然家はもう目の前で。
「じゃ、緒方先輩さようなら」
「あぁ。約束忘れんなよ」
「罰に自分を使われるんですから、出来る限りしますよ。周りに聞いたりしてみます」
それだけ言って、緒方先輩に背を向けた。
「和歌」
びくっ
気を抜いていた。
いきなり呼ばれた名前に、ドキリ、心臓が跳ねる。