†captivity†(休載)


「でも……」



確かに、無知は人を傷付けることもある。

あたしだって経験したことがあるし、誰にでもあることなのかもしれない。



「和歌はこういう話を聞いて楽しく感じる人?違うでしょ?」

「……楽しくなんてないよ」

「それなら、ベラベラ他人に話したり、茅ヶ崎にとって嫌だと思うことはしない。そう思ってるから、俺も話すんだ」



困ったように笑う、滝澤くん。

少し後ろめたい気持ちもあるけれど、奏多くんを傷付けたくないって思いも確かにあって。

それなら……傷つけたくないからこの先を聞くっていうのは、悪いことかな?



「先、聞く?」

「……うん」



ごめんなさい。

奏多くん。



もっと知りたいから。

……ごめんなさい。



「うん、話すよ。それでさ、性格的なことだから、本人が変わらなきゃどうしようもないんだよ」



性格は、直せっていわれて簡単に直るものじゃない。

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