†captivity†(休載)
「うん。そうかもしれないけど……滝澤くんは、奏多くん自身が悪いと思ってるの?」
「あー、そういうことじゃなくてさ、つまりさ、優しいのがアダになってる感じ。悪いのはからかってたアイツらだし、原因は茅ヶ崎の性格。ただそれが事実。それはまぁ、いいんだけどさ」
気付けば少し俯いていたあたしの頭を撫でる滝澤くん。
少し、切ない気持ち。
「そのいじめがスッパリなくなった中学2年が、茅ヶ崎が緒方先輩たちと連み始めた頃だったんだ」
奏多くんの言葉と、今の話が重なる。
『同じ』
『助けてくれた』
奏多くんは、この時に助けられたんだ。
「でもさ、その理由がね」
「理由?」
苦笑いして、目を反らす滝澤くん。
なんだろう?
気になる。
「緒方先輩ってさ、怖いだろ?」
「……態度悪いだけじゃなくて?」
「いや、あの人壁ぶち壊すよ」
……は?