†captivity†(休載)


「ねぇ、奏多くん」



時計を見ていた奏多くんが、振り向いた。



「奏多くん、なに買いたいの?」



数秒置いてから、奏多くんは口を開いた。



「プレゼント」

「プレゼント……?」



奏多くん、誰かのプレゼントを買いに来たのか……って、あれ。

なんだか今朝聞いたようなフレーズだな。



「誰のプレゼント?」

「ないしょ」



……ないしょ……!

奏多くんにないしょされた!!



なぜだろうか、奏多くんがないしょするだけで可愛く感じる!



「和歌も」

「え?」

「プレゼント」



奏多くんはにっこり笑って言った。

……まさかあたしも買えと?

誰にあげるのかもわからないプレゼントを?



まぁ奏多くんがプレゼントあげるっていえば、あの二人くらいしか思い当たらない訳だけれど。

とりあえず、奏多くんには逆らえない。

きっとそんな魔法をかけられたんだ、うん。

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