俺がお前の生きる理由。(仮題)
ふと、女の首元に目がいき痣のようなものが見えた。
俺は女の細くて柔らかい髪をどかし首元に触れる。
髪をどかしたことではっきりと露わになる痛々しい痣。
女は俺がその痣に振れたことで少し痛そうに顔を歪めた。
嫌な予感がし、確かめるように今度は袖を捲くり、女の細くて今にも折れそうな腕に目を向ける。
「・・・・」
女の腕を布団に戻し、ため息が漏れる。
ちょうどその時、授業終了のチャイムが鳴った。
叔母に彼女はちゃんと見ているから次の授業に出るように言われ、面倒に思いながら保健室を出る。
その後の授業中もあの女のことを考えていた。
苦しそうな顔。
何かに脅えている様子。
そして、痣・・・