俺がお前の生きる理由。(仮題)
今さっきまで点滴がされていた場所を抑えながら足早に部屋を出て玄関を目指す。
あまりの広さに焦っていると
「あの、お嬢様、失礼ですが楓様のお連れ様ですよね?」
質問には答えず“玄関はどちらでしょうか”とだけ尋ねる。
「あちらになります。あの、楓様はお帰りになることをご存知ですか?」
『申し訳ありません、、、あの、急いでいるので、、、失礼させて頂きます。』
使用人にお辞儀をすると急いで玄関向かう。
玄関を出ると門までの長さにため息が漏れる。
まだクラクラする頭とだるさに耐えながら、桐生家を後にした。