俺がお前の生きる理由。(仮題)
部屋の中に入り、その惨状に言葉を失う。
ベットに横たわる葵の体は、下着しか身にまとう物がなく、先ほど付けられたであろう無数の痣。
「あおい、もう、大丈夫だから。」
ぐったりしている葵にそう囁くと、着ていた上着を葵にかけ、そっと抱き上げて扉に向かう。
未だ取乱している海藤悠斗が声を張り上げる。
「葵は僕のだ。勝手に連れていくな!!!」
あおいは僕のだ。
さっきから繰り返される言葉に抑えていたものがこみ上げ、鋭い目つきで海藤悠斗を睨みつける。
「葵は僕の?
ふざけんなよ。そんな権利お前にはない。
今度葵に近づいてみろ。ただじゃおかねぇからな。」
秋吉に行くぞと告げると、はいはいと返事が返ってくる。