俺がお前の生きる理由。(仮題)


そのまま海藤家を出て車に乗り込むと、葵の顔を見る。




「ごめん。」




もう少し早く行っていれば、そもそも葵を帰さなければ、こんな痛い思いをしなくて済んだのにと、申し訳ない気持ちと、自分の不甲斐なさに苛立ちを覚える。




「お前はその子を助けたんだ。そんな顔してんじゃねーよ。」


「・・・秋吉、こいつ大丈夫なのか?」

そう尋ねると、葵の額に掌を持っていく秋吉。


「熱はさっきより確実に上がってるな。体も相当殴られたみたいだし、帰ったらすぐ診察する必要がある。」


「ああ。」


「でも、一番の問題は・・・」


「なんだよ?」





「・・・心、かな。」








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