チョコレート*ラブ
帰りのHRも終わって、私は沙菜ちゃんを昇降口まで見送った。
「鈴子、見送らなくていいから」
「だ、だって」
緊張するから。
「ほらぁ。早く教室に戻りなよっ!頑張ってね?バイバイ」
「……あっ」
沙菜ちゃん、帰っちゃった。
私は、一息いれて教室に向かった。
その途中で、藤田君に会った。
藤田君の手には、菅原君が貰ったチョコレートが入っている袋があった。
あ、菅原君……本当に藤田君に上げたんだ。
「あれ、鈴ちゃん帰らないの?」
「あ、うん」
「そっか~」
藤田君は、ニヤリと口角を上げる。
「……もしかしてさぁ、鈴ちゃんって、駿と約束してる?」