チョコレート*ラブ
教室に向かっている最中に、藤田君が不思議な話をしてくれた。
『バレンタインって…友チョコとかあるじゃん?』
『うん』
『男ってさ、チョコ欲しいって思ってるけど……誰からもってわけじゃないんだよ』
『そうなの?』
『あの子から貰いたいなって、思ってる奴が多いんだよ。その相手が好きな人だったり……でも、もしその相手がくれても〝友〟と〝本命〟があるわけよ』
『う、うん?』
『好きな子から渡されても、それが本命じゃなかったら嫌だって……我が儘言う奴がいんだよね。その子以外のはいらないって言って……どこかの誰かさんみたいに俺にくれちゃう奴とかさ』
藤田君は、そう言いながら手に待っていた袋を私に見せた。