チョコレート*ラブ
そ、そりゃ……逃げるよ。
だって、だって、今スッゴくドキドキしてるから。
「…手首、じゃなくてさ……手ぇ握っていい?」
「あ、う……うんっ」
私は、俯きながら返事をした。
菅原君の手は、掴んでいた手首から……私の手へと移動した。
優しく包み込んでくれるように、握ってくれた。
どうしよう。
菅原君を凄く愛おしく思ってしまう。
────……やっぱり、チョコ渡そう。
菅原君に好きな人がいても、私が渡したチョコを他の人に渡しちゃっても…。
好きだから好き。
それでいい。
チョコを渡して、バイバイして、また明日いつも通りに過ごそう。