チョコレート*ラブ
◇ミルク
「す、菅原君っ……あの、さっき泣いたのは…自分が嫌な子になってたから、です」
「え、嫌な子?」
菅原君は、目を丸くして驚いていた。
「うん。……恋するって難しいよね。何かと不便…」
私がそう言うと、菅原君はもっと驚いた。
「坂野って、好きな人いるんだ」
「…え?」
菅原君、何でそんなこと聞くんだろう。
「いや…今〝恋するって難しい〟って言ったから。いなきゃ言わないだろ?」
「あ、うー…うん」
その好きな人は、菅原君なんだけどな。
「そっか」
菅原君は、はぁとため息を吐くと俯いてしまった。
………今、渡しちゃおう。
チョコ、渡して帰ろう。
泣いた理由も話したし、もういいよね。