チョコレート*ラブ
男の子には、菅原君と藤田君だけに作ってきた。
もちろん藤田君は、友チョコ。
本命は、菅原君だけ。
藤田君は、仲良くしてくれたし……『鈴ちゃん』ってあだ名みたいに読んでくれるし。
「まじ!?まじまじ?やったぁああ!」
私は、手提げの中から藤田君に渡すチョコを手に取った。
「はいっ」
「うわっ!超嬉しい!サンキュー…鈴ちゃん」
「どういたしまして!」
藤田君、喜んでくれたみたい。
良かった!
「……あ、菅原にも渡しなよっ」
──…え?
藤田君の発言に、驚きを隠せなかった。
菅原君に、今……?
む、無理無理!
皆がいるのに渡すなんて私には出来ないよ!
「…あ」
藤田君は、知らないんだ。
菅原君には本命だって。