生存者の運命
「イツキ?
どうしたんだ、
こんな時間に呼び出すなんて」
俺に話しかけてきたオジサマ。
顔だけならかなりのイケメン。
名前は覚えてないけど。
ちなみにイツキってのは
俺の偽名。
セックスするためだけの奴に
本名を教えるなんて
バカバカしいからな。
「俺、体売るの止めたから。
はい、さよーなら。」
「え?どういうこと?」
「だから、もう誰とも
セックスしねぇってこと!!
…アンタ、会社の社長とかだっけ?」
「え、いや、そう訳ではないが…!」
「俺のこと、雇える?」
「それは俺だけでは決められないが…」
「あ、そっ。んじゃあな。」
「え、ちょっ、待って…っ!!」
うぜぇ。
聞き分けの悪いオジサマを置いて
俺はネオン街から歩き出した。