君が好き
「…て、ことで。
文化祭までは生徒会は活動しないので。」
言いながら気付いた。
そうだ、文化祭まで活動無いんだった。
他の学校がどうだか分からないが、
うちの学校では、文化祭は文化祭実行委員が中心となるため、生徒会は活動中止。
自分のクラスの活動に専念することとなる。
会えないのか、加藤に。
「うちのクラスねぇ、クレープだよぉ」
「へぇ、加藤が売るの?」
「山田先輩!なんでかとちゃんだけに聞くんですか!?
私も売りますよー」
いつも通りの、千田と山田の言い合いを聞きながら
さり気なく隣の加藤に声をかける。
「売るの?」
「はい。
会長のクラスは?」
「…なんだろ」
「知らないの?」
「うん。
…なんだよ、その顔」
ジトーっと
なんだかものすごい軽蔑の目を向けられ、
言葉を返すと加藤は小さくため息をついた後首を横に振った。
「おい。なんだよ」
「だって、クラスのわかんないとか、ないでしょ。」
「…たまたま、だよ。たまたま。」
「ありえないわぁ」
こんな会話も。
しばらくできないのか。
少し、いや。
うそついた。
すんげぇ寂しい。
「…加藤のクラス、行っていい?」
「え?あ、いいですよ。もちろん」
自分がこれから、加藤とどうなりたいのかはわからない。
だけど、今、こうやってほんの少しずつ近くなる距離は、嬉しくて。
「おまけしてな」
「…何言ってんですか、金持ちが。」
なぁ加藤。
君の中で、俺はどんな存在ですか。
出会った当初よりも、少しは大きな存在になれていますか。