君が好き




うちの学校の生徒会。

最後の活動となるのが、
文化祭の会計だ。

ここで引継ぎを行うことになる。



「…会長、これ、わかんない」

「ん?どれ?
あぁ、これは…」



文化祭初日。
加藤の可愛い浴衣姿に感動した。

と、同時に
俺は失恋をした。


何を言ってるんだ、という感じなんだけど。

もちろん、一度告白してフラれてるんだから、失恋してんだよ。

だけど。
どこか、俺は多分、信じてなかった。

本当は、違うって。

本当は、俺にもチャンスがあるんじゃないかって。



だけど、彼氏の存在を見て。

明らかに俺と違う彼を見て、気付く。




あぁ、ダメじゃん。って。




俺、全然違うじゃんって。

かすりもしてなかったんじゃん





それに気が付いてしまうと、
俺はもう、なにも言えなくなってしまった。


加藤も何も言ってこない。
そりゃそうだ、もともとなんでもなかったんだから。



俺は。
加藤のこと好きだったから、少し、いや、結構、ショックを受けていた。





それはそれはもう。
加藤に、話しかけることさえ出来ないみたいに。






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