君が好き
「…じゃあ、そろそろ」
千田のおかげもあり、
それからは加藤のことを
全く、というのは無理だけど、
あんまり気にせずに楽しめたと、思う。
正直、あんまり覚えてないんだ。
気にしないってことに、必死だったことで。
「駅方面のひとー」
「はーい」
…あ、馬鹿だ。
高校近くの焼肉屋。
うちの高校は地元の人が多いから。
駅方面の人、少ないんだった。
千田と、俺と。
3人しか居ないその中に含まれる加藤。
…あぁ、もう。
「加藤も、いこっか」
久々に声をかけた君は。
少し戸惑った表情をしていて。
「…はい」
無理やり作った笑顔が、痛かった。
「かとちゃん
いっぱい食べれた?」
「うん、お腹いっぱい」