君が好き




こういうとき思う。

同級生がやたらと大人に見えるんだ。


俺みたいに、テキトーにどっか。

じゃなくて、明確にここに行くって決めて、
ちゃんと勉強してるやつらが、ほんと。


この時点で俺は出遅れてるような気がするから。



「まあさ。
出来るだけ、なんでもできるとこ行って。

いざ、やりたいこと見つけたときに
すぐに対応できるとこにな。」


「はい」



担任だって。
つうか、この学校にいるみんなが自分で
教師になるって決めてここに居るんだ。

あの駅員も。

あそこで電話してるおっさんも。


みんなが。
どっかで何かを決めて。
ここに居るんだ。



「すげーよ」



俺は、ここで躓いて立ち上がれないのに。



何してんだよ、本当に。











「…あ」




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