君が好き
そして、知る。
俺は思っていたよりもずっと、
ずっとずっと、周りに恵まれていたんだって。
中身は、
時計に、
間食用のお菓子に、
なにやらメッセージに…。
とにかく、いろんな人からの想いがたくさん詰まっていた。
「…寝れなくなるだろ、これは」
取り出した寄せ書き。
頑張れ!とか、
落ちて内部に来い!とか。
なんじゃそりゃ、っていう内容ばかりで。
え、そんな中に見つけてしまった。
名前はない。
だけど、分かる。
“絶対、大丈夫”
綺麗なその字は。
少しふれて胸が詰まる。
なぁ、加藤。
お前に大丈夫って言われたらさ。
本当に大丈夫な気がするんだよ。
それって、すごい事だと思うんだ。
こんな相手に出会えただけでさ、
加藤に出会えただけでさ、
もう、それだけでいいのかもしれない。