君が好き




沈むようにベットに横になって目を閉じてみれば
思い出すのは加藤の泣き顔。



俺は、泣かせてばっか、だったな。

たくさん笑って、
たくさん泣く。


第一印象とは全然違う彼女のことを、
知れば知るほど好きになった。



…なぁ、加藤。



幸せで居てくれ。

俺をこんなに幸せにしてくれた君だから、
君の好きな人と、
誰よりも幸せになってくれ。




「すげぇ、好きだったよ。」



今までは、

心の中で呼びかける内容は、
いつも“好きだ”だった。


だけど、強がりじゃなく、今思うんだ。



加藤、幸せになって、と。



加藤の好きな人と、
世界で一番幸せになって欲しいと。

世界一幸せな笑顔で居て欲しい、と。





再び目を閉じると、
何故だか今度はすんなりと眠りに落ちたような気がする。



夢は見ていない。

だけど、
ここ最近で一番、幸せな眠りだったと、思うんだ。




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