君が好き
いったい、姉貴は誰と話したんだろう。
「言っといたわよ、バレンタインに試験終わるって」
「は?やめてくれよ」
一体誰なのかわかんないけど、
勝手にそんな情報を。
マモルにも言ってないのに。
「華の高校時代もあと2か月しかないのに。
あんたは。
今のうちに遊びなさいって。」
「はいはい」
…参った。
落ちたらかっこ悪いから言わなかったのに。
まぁ、お分かりの通り、
今の季節は2月。
さらにいえば2月14日。
今日で、すべての試験が終わる。
最初のテストから4度目のテスト。
今のところすべて受かってるけど
一番の志望校は今日受けるところのわけで。
これに受かったら
おれは新しい一歩を踏み出せるような気がしていた。
あの寄せ書き。
“絶対、大丈夫”
彼女の文字はすぐに思い出せるほど。
なんなら俺も全く同じようにかけるほどには見て、
指でなぞってきた。
受かって、
卒業式になったら、
きっと、加藤に会おう。
それで、最後に言おう。
すげぇ、好きだった、と。