君が好き
「生徒会に、会長がいて。
すごいな、って思って…」
ほんと、すごいよな。
すごいことだよな。
だから、運命かな、なんて思っちゃったんだよ、俺は。
「…なんか、毎日楽しくて。」
「うん。」
「人見知りでなんか、なかなか馴染めなかったけど、楽しくて。」
やっぱ、ただの人見知りか。
「お祭り準備とか、あの、すんごく楽しかったんです」
チラッとこちらを見た加藤。
それにも愛しさが不意に湧いてしまう。
ほんと、こまったもんだよ。
「お祭り行ったり、何気ない会話も、全部、すごく楽しかった」
そんなの、こっちのセリフだよ。
「それで覚えてますか?あの、屋上」
忘れられるわけがない。
「加藤が泣いた日、だろ?」
すこしツンとする鼻の奥。
今この思いを知る、多分これが、切ない、だ。
「そう、私、泣いたの、ないたんです」