君が好き
加藤と付き合えたら何か変わるだろうと思っていたが、実際にはなにも変われず。
俺は女心のわからない男のままだと思う。
それでも。
「あ!加藤!」
わからないなりに、
大切にしようとは思ってるんだ。
「…おめでとうございます」
「うん、ありがと」
泳いだ目がボタンに行ったのを見て、
マモルの言う通りなのかと少し胸が苦しい。
「ごめん、なんか気づいたらなくなってて…」
「…ベルトも取られたの?」
「…ごめん」
いや、本当に言い訳のようだけど
すんごかったんだって。
脱がされるかと思ったし…
なんてことは言わない方がいいだろうということぐらいはわかる。
「バカ」
「はい、すいません。」
本当に怒ったのか
うつむいてしまった彼女がやっぱり好きで。
もうすぐ、出会ってから1年が経つ。
「加藤、あのさ」
好きで、
好きで好きで仕方のない加藤が、
彼女なんだ、
俺の、彼女なんだ。
「好きだよ」