君が好き
(1) 祭
ある日の学校の帰り道。
体育の時間、なんとなく、
ほんと、なんとなく、なんだけど考えていたその人がそこにいた。
しかも、その人はどうやらお祭り準備のお手伝いをしているらしい。
なんだか、それに笑ってしまった。
優しそうで、実際優しくて。
かっこいいのに、なぜだか嫌味のない、爽やかな人。
季節なら春、お天道様をいっぱい浴びたフカフカのお布団みたいにあったかくて、優しい。
「私もお手伝い出来ることありますか?」
気づいたらそう言っていた。
困ったような顔をしていた彼だけど
準備をしてればいつもの笑顔に戻っていて。
あぁ、この人のこの笑顔、すごく好きだなぁって、この時思った。
「加藤、」