君が好き
1.春風



「あの、そ、その…」

やばい。
空気がやばい。



だれも居なくなった教室。
クラスメートの1人と普通に談笑していたが
気付けばこの状況。



「あ、ごめん。
俺もう時間が…」
「あ!待って!」


まずい、非常にまずい。

掴まれた腕を辿り
その顔を見れば頬を赤らめている。


やっぱりだ。

やばい。
これはいよいよだ。






「わ、わたしっ!!」

「悪い、菊池!
俺バイトだわ!先帰る!

また明日な!」
「待って!」


早口に過ぎ去ろうとしたものの
それは失敗に終わった。





< 2 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop