君が好き




どうしよう、ちょっと泣きそうだ。


そっと屋上に寝転がってみた。
温められたアスファルト。

背中にじんわり熱が伝う。



「加藤、寒くない?」

「はい
床、あったかい」



ねぇ、会長。
幸せなの。

すごく、今。



「会長」

「ん?」


ほら、こうやって呼べばあなたが返事をしてくれて。


「会長って」

「本当に優しいんですね」


ねぇ、幸せなの。
だけど、そんな自分が、許せないんだよ。


「…加藤?」


私が一番つらかったとき、
支えてくれたのは誰?
傍に居てくれたのは誰?

それで私は元気になれたんじゃなかったの?


ねぇ。

それなのにこんなこと思うなんて
そんなのダメなんだよ。

ダメなんだけど。


苦しい、苦しいよ、会長。




「だって、」



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