君が好き




「知ってます?今日、流星群なの」

呟くようにこぼした言葉に

『りゅうせいぐん?』

なんてカタコトな言葉。


少し笑ってからそっと言葉を返す。


「うん。朝からずっとニュースで言ってたのに」


電話だから、少しなれなれしくなってしまう言葉。
だけど、彼はそんなこと気付かないだろう。


『昼に起きたからさ』

「アハハ、やっぱりグータラしてるんだ」


受験生のくせに。
クスリと一人で笑ってそして思う。


…あぁ、ダメだ。
会いたいよ。

会いたくなっちゃうんだよ。




「ねぇ、会長

この辺で、流星群がきれいに見えるのは、どこですか」



ズルい言葉。
ねぇ、それでも、気付いて。



私の、言えないメッセージ。









「なぁ、加藤。

最高の場所知ってるんだ。


だから。









二人で、見に行かない?」






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